花よりも花の如く メロディ2月号

私がLaLaという月刊誌を買うきっかけになった作家さんが、この漫画を描かれている成田美名子先生です。

中2の頃、友人のお宅へ遊びに行った時、無造作に積んであった雑誌を読ませてもらいました。
その中でも、当時連載していた「CIPHER」がとても衝撃的でした。

中学生の私は「なんてお洒落な漫画なんだろう」って思った覚えがあります。

自分でLaLaを買うようになって、別の作家さんを好きになったりもしましたが、最初に買って読もう!と思わせた作品は「CIPHER」でした。

それからというもの、一番好きな作家さんという存在ではないのですが、必ずコミックスを買う作家さんの一人になった成田美名子先生の作品の中で、私はこの「花よりも花の如く」という作品が一番好きです。

元々前作(?)の「NATURAL」が好きで、その物語で主役に深くかかわるキャラクターとして登場していた西門の兄である憲人が主役の作品なので、西門やミゲールの登場を期待して読み始めた訳ですが、憲人のキャラクターにハマってしまいました。(笑)

SomethingOldSomethingNew

現在、14巻まで出てまして、3月4日に15巻が発売予定です。

私がLaLaを読み始めたころに、本誌で活躍していらしたベテランの作家さんたちは、現在ほぼほぼメロディで連載されています。そんな事もあり、偶数月発売のメロディは欠かさず購読しています。

メロディ2月号の「花よりも花の如く」は第71話。
憲人のお弟子さんのご実家のゴミ屋敷(?)の清掃の助っ人に名乗りを上げての続きのお話。

だいたい憲人が何かに関わったり、出逢ったりするお話って、今度のお能の舞台に生きる経験になるエピソードだった…というオチがあるのですが、今回の一件はどういった結末になるのか、気になります。
葉月さんとの関係も落ち着いて、稽古に励む話になるのかと思った矢先の「ゴミ屋敷」ですからね…。
成田先生の狙いが知りたいものです(笑)

それはともかく、この漫画は「能」を敷居が高いと思っている人たちへの入門編みたいな漫画だと思います。
私も住んでいる土地柄、薪能とか身近で奉納されていたりして、興味はあったのですが、きっと観に行っても言葉が分からないから理解できないんじゃないか…というので、近くで奉納薪能があっても、観に行った事がなかったんです。

ですが、最近、題目とかを見るに「お?憲人さんが舞ってたあの演目と一緒かな?」とか興味が更に強くなってきまして、今度仕事の都合が付きそうなら、一度くらいは観に行ってみようかな~と思う気持ちが強くなってきました。

ここからネタバレになりますので、お気を付け下さいませ(笑)

今回の71話は、前回シャカリキに片づけをした甲斐あって、キッチンが使えるようになってた「ゴミ屋敷」ことお弟子さん・杉浦さんのご実家。

杉浦さんのお父さんの認知症に対する疑惑。

憲人のじいさまも「気持ちはわかる」とか「戦中戦後を知ってる世代は皆そうだ」と言っている再利用しようとする精神。それ自体は、今でも素晴らしい事だと私も思います。

ただ、憲人の言うように、ゴミ屋敷にしてしまうのとしてしまわない、境界線ってなんなんだろう…と思います。
※憲人のじいさま曰く「違いはなく、紙一重」だそうですが…。 

今回のエピソードは、どの演目に生きるのか…。
今月号で楽ちゃんが憲人に「鬼女の閨」が見えると言っているシーンから、憲人が連想しているのは「安達原」の「人の死骸が累々と転がっている女主人の閨」でしたが、やはり今回のゴミ屋敷清掃は「安達原」につながるエピソードなんでしょうか…。

奥が深い…。

成田先生の作品は、どれもこれも劇的な衝撃とか、クライマックスとかそういったモノはなく、いい意味で淡々としたペースで語られる印象がありますが、この「花花」は中でも秀逸ですね。

日常のたわいないエピソードから紐解かれる、小難しいお能の世界。

恋愛の表現は、何時までたっても苦手なようですが、この方の描かれる 空気が非常に好きです。

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