夏目友人帳 いつかの庭の章

私の最近のど真ん中キャラであります、ニャンコ先生は、この作品に登場する妖(あやかし)です。

一番最初は、LaLaに「蟲師」に似た雰囲気の漫画が始まった…くらいにしか思っていなかったのですが、読み込んでいくうちに、全然似ていない、そして、独特の面白さにハマっていきました。

天涯孤独で、他人には見えないものが見えてしまう為、嘘吐き呼ばわりをされ虐められていた…。
そんな幼少期を過ごした夏目貴志くんが、藤原夫妻に自らも望んで引き取られ、その地で友人たちにも恵まれ、ずっと悩みの種だった妖(あやかし)について知っていく…その過程が淡々と描かれています。

徐々に斑ことニャンコ先生とも絆が育まれ、お互い素直に言葉には出さないけども、尊重しあっている雰囲気がふとした瞬間に描かれる所や、祓い人の名取との不器用なりにも一生懸命お互いがお互いの為になろうとする様を見ると、ほっこりします。

的場一門との絡みや、レイコさんの死の原因など、まだ先の見えない謎が残されているので、その部分にスポットを当てる回などは、少々ヒヤッとしたりもしますが、どこかノスタルジックな雰囲気のあるこの作品が無性に好きです。

今月のLaLa2月号はお休みでしたが、先月号のLaLaに掲載された「いつかの庭の章」は、夏目友人帳独特のほっこりエピソードの回だったと思います。

いつかの庭の章

昔…何巻に収録されていたか、定かではありませんが、「タマ」と名付けられた辰未という鳥と龍の間の子のような妖怪のお話に似ていて、とても心が温まるお話でした。

的場一門関連のちょっとヒヤッとしながらも、やっぱり夏目って凄い能力者なんだな~って思わせる話も好きですが、こうしたふんわり、ほっこりするお話も大好きなので、そのバランスが絶妙な夏目友人帳は、なかなか厭きの来ない作品だと思います。

ここからネタバレになりますので、お気を付け下さいませ(笑)

塔子さんがご近所さんからたくさんの苗を分けてもらったが、すでに花壇はいっぱい。
そんな塔子さんの為に、滋さんから花壇の作り方を教わり、時間を見て花壇づくりを始めた夏目くん。

そんな花壇が何故か柵用の石ばかり荒らされる…。
原因を探ってみれば、案の定、妖の仕業。

神が泊まる為の箱屋敷の修繕と、花壇づくりの両方を任されてしまう夏目くん。
またもお人好しと、悪態つくニャンコ先生。

この二人のやり取りは、信頼関係が感じられて良いですよね。

そんなこんなで、花壇は完成。
夏目くんは、何を植えるんでしょうね…。

なんだか、結局先生が植えたがってた、枝豆、シシトウ、スナップエンドウを植えていそうだな…と(笑)
勝手に想像して、またほっこりしました。

修理の終わった箱庭に、皆でお花の苗を蒔くシーンは、ちょっぴりホロリときました。
夏目のこういうちょっとしたことを大切にする所がとても好きです。

きっと緑川先生が、そういう些細な事も大切にされる方なんだろうなぁ~と感動します。

最後、箱屋敷の中で、シダ姫様と一緒に箱庭を眺める夏目。

「箱屋敷から見た庭は
 まったく知らないようで
 懐かしいようで
 どこかに似ている気がした。

 藤原家のあの庭のような

 遠いむかし
 父とながめた庭のような

 とてもあたたかい庭だった。」

このモノローグは、何処か寂しくも暖かい。
こういう懐古的な言い回しや雰囲気が、夏目友人帳という作品だな…と思いました。 

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