ヴァーリアの花婿

こんばんは。今日は短編集をさらっと(笑)ご紹介。
現在「赤髪の白雪姫」で大ブレイク中の、あきづき空太先生の作品です。

「ヴァーリアの花婿」というコミックスには、それぞれ趣の違うファンタジー作品が4編収録されています。どれもあきづき先生らしい雰囲気(童話とかおとぎ話っぽい)があって、面白いです。

【ヴァーリアの花婿】
ヴァーリアの花婿

タイトルの作品。
さすがは、タイトルになるだけある!と言っても良い作品だと思います。
4作品の中で一番好きな作品です。
勝気なヴァーリアと穏やかなルセル。とてもお似合いの二人です!!

【龍の守唄】
龍の守唄

天龍として生まれ、旅立つ瞬間まで神殿にしか住まえないキトという青年と、天龍が目覚めるときに歌をささげることが出来る巫女として神殿に住まうシュエンという少女との絆を描いた作品です。

別れのシーンは切ないながらも、優しく綺麗な印象があり、胸にボッカリ穴が開く…という結末ではなく、穏やかに読めるお話です。

【銀世界の証明】
銀世界の証明

魔法嫌いの人間の男の子アルザと、魔法種に生まれた女の子リアのお話。
世界観が独特で、面白いな~と思った覚えがあります。

リアの命はどのくらい残っているんでしょうか。
少しでも末永く、一緒に暮らせたらいいな~と祈ってしまう物語でした。

【おとぎばなしの筆】
おとぎばなしの筆

日本昔話とかに出てきそうな、人間たちの自分本位なエゴがベースにあるお話。

人は欲深く出来ている存在なのだ…と。心の在り方で、正しい道も選びだせると訴えているかのように思えました。中々高尚な作品だと思います。(…というか、私はそう受け止めました。)

こういう風合いの短編は、他の作家先生も描かれていたりしますが、どれも結構好きなジャンルです。

ともかく、どの作品も面白く、楽しめる1冊だと思います!

ここからネタバレになりますので、お気を付け下さいませ(笑)

【ヴァーリアの花婿】
ルセルとヴァーリアは幼馴染で、親同士が決めた許嫁をかわす。
周囲はお祝いムードだが、二人はぎこちない。

理由は、ヴァーリアの本当の許嫁が、ルセルの兄のジルだったが、5年前?くらいに出奔。
行方知れずとなり、婚儀の日までに長男が戻らなければ、次男と婚姻を結ぶという親同士の約束の上に成り立つ婚約のため、素直になれない二人がとても意地らしかったです。

ジルを見付けて、殴り飛ばし、激を入れるヴァーリアは本当に良い女です!
結局、両片思いだった二人は、晴れて正式な許嫁に…。兄のジルも村へ戻り、ヴァーリアはルセルのお嫁さんになりました。

めでたし めでたし♪

【龍の守唄】
天龍の守護を失った、天龍の住まう世界。
その神殿には、天龍として生を受けた青年と、巫女の少女。

空を飛んだこともないのに、空に焦がれ、天龍として目覚め空に帰る日を待つ日々だったキトの元に、天龍を目覚めさせる歌をささげる事の出来る巫女であるシュエンがやってきた。

短い期間ではあるけれど、キトが天龍として目覚める時が満ちるまで、優しさに満ちた暮らしの中で、絆を深めたシュエンとキト。しかし、残酷にも時は満ち、キトが天龍として天に帰る日がやってきます。

切ない別れの瞬間もほっこり優しい気分にさせてくれる、そんなお話でした。

【銀世界の証明】
魔法によって作られた世界。
魔法種の力を恐れていた人間が、魔法種の力を礎に、満ち足りた街を作ったのが、魔法街の始まり。

魔法種の者は、己の魔力が底を尽きると、身体が結晶となり雪が砕けるみたいに消えてなくなる、それを知った上で魔法種を利用して富んだ街を嫌い、孤独に離れた雪深い場所で生活をしているアルザの元に、行き倒れになっている少女が現れる。

彼女は魔法種のリア。自分たちが遅かれ早かれ消えることは、世界に戻ること。だから苦にしていない…と笑う少女。

そんな考え方の違う、種族も違う、少年と少女が惹かれあい、共にある道を選ぶ。
アルザとリアの未来に幸あれ!

【おとぎばなしの筆】
神を畏れ、信仰する先に、神を自分たちの平和や平穏の為に、封印し、日々を守っている村で真実を知った長の一族の少年・烙緋。

自分の先祖の想いが、いつしか歪んだエゴに変わり、犠牲となった水の神を解放し、民を説得し、強く導いていくであろうラストは、なかなか見ごたえがありました。

ただ、烙緋の兄がくだらない人のようにも思えてしまったのが、残念です。 

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